天ボタン(キャップの天井についているポッチ)についての解説
よくお問い合わせをいただく内容について解説を交えてお答えする、QandAコーナー。
今回は、キャップやキャスケットの頭頂部についている天ボタン(top button)について解説します。
こちらの内容については、YOUTUBE 動画でも解説しておりますので、ご参照ください。
チャンネル登録、宜しくお願いします。
Table of Contents
天ボタンの種類について
天ボタンとは、キャップやキャスケットの頭頂部についているボタンのことを指します。
デザイン的な意味合いもありますが、縫い合わせを補強するためのパーツでもあります。
ボタンの種類
イケガミ帽子工房では、15mm、19mm、25mmの3種類の天ボタンご用意しています。
ベーシックなタイプは、19mm。
25mmは、主にキャスケットに使用します。
色は白、素材はプラスティック(ポリプロピレン)になります。
留めピンの種類
天ボタンは、帽子の内側からピンを差し込み、木づちなどで打ち付けて留めます。
ピンは透明で、素材はポリカーポネイト。
生地の厚みなどに合わせて、レギュラーピン、Lピン、LLピンの3種類を使い分けます。
ハンドプレス機について
天ボタンは、ハンドプレス機で作成します。
ハンドプレス機は、てこの原理を利用したシンプルな構造になっており、壊れにくいです。
ですが、30年近く使ったハンドプレス機の持ち手部分が経年劣化で折れてしまったことがあります・・
こちらがその時に撮影した画像。
ハンドプレス機は、コマを変えることで様々用途(ハトメやカシメの取り付けなど)に用いることができます。
ハンドプレス機には、持ち手がゴムor金属、間口が広いor狭いなど様々な種類がありますので、
ご利用の場合は、用途に合ったものを購入するのが良いでしょう。
また、ハンドプレス機にはそれぞれのメーカー毎に専用のコマがありますので、ハンドプレス機にあったコマを購入するようにしましょう。
ハンドプレス機は、通常手での作業(ハンドプレスなので・・)しますが、
量産をする場合は、ペダル式ハンドプレス台 があると便利です。
(以前から気になっているのですが、まだ導入できていません・・)
ハンドプレス機についての購入ページをまとめてみましたので、良かったらご参照ください。
天ボタン作成と取り付けの手順
天ボタン作成
- 天ボタンの直径に合わせて、生地を裁断する
- 生地を天ボタンの頭と一緒に、上コマに押し込む
- 下コマにワッシャーを入れる。
- 生地を入れた上コマを下コマとかぶせて、ハンドプレスで圧力をかける。
天ボタン取り付け
- 本体の頭頂部にポンチで穴をあける。
- 帽子の内側から留めピンを穴に通す
- 帽子の外側から留めピンに合わせて天ボタンをかぶせる
- 木槌で打ち付けて、天ボタンを留める。
このあたりの手順は、動画のほうが分かりやすいと思います。
1分28秒ごろから実際の制作の様子になります。
まとめ
今回は、キャップやキャスケットでよくみかける、天ボタンについてまとめてみました。
小さなパーツですが、印象をがらりと変える重要な部分でもあります。
天ボタンは、経年劣化で外れてしまうケースも多い部分でもあるかと思いますので、
修理したいなどのご要望ありましたら、ご相談いただければと思います。
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