業務分析シリーズ:一品番あたりのオーダー個数について調べてみた
前回に続き、今回も業務分析シリーズをお届けしたいと思います。
今回は、一品番あたりのオーダー個数について。それでは、見ていきましょう!
Table of Contents
小ロット対応っていうけれど・・
私どもの工房では小ロット対応を掲げていますが、実際どの程度のことを小ロットと言っているのか、わかりづらいかと思います。
実際、「50個程度の小ロットですが、お願いできますか?」といったご質問を、大変多くいただいています。
そこで、今回は一品番あたりのオーダー個数について調べてみました。
前提条件について
1)過去8年の納品書を使用
今回の集計データは、過去8年の納品書をベースとしています。
2)1回のオーダーで、同一型の商品を一品番
例えば、1回のオーダーで、ハンチング30個、キャップ30個の場合は、二品番ということになります。
ハンチング30個のSKU6(2色、3サイズ)などの場合も、一品番として扱います。
3)帽子のOEM生産のみを対象
今回の分析では、帽子の量産を前提としたOEM生産のみを対象とします。
個人様からのオーダーメイド、帽子以外のオーダーなどについては対象外とします。
4)分納は別品番扱い
納品書をベースに集計しているため、分納は別品番扱いとなります。
例えば、1000個のオーダーの場合で1回目に500個、2回目に300個、3回目に200個を納品した場合は、それぞれ別の品番という形になります。
そのため、オーダー時の集計データに比べて、ロットが小さい集計データとなります。
5)オーダー個数を8段階に分類
オーダー個数は、6個以下から1000個以下まで8段階に分けています。
1000個以上のオーダーについては実際にはいくつかありましたが、分納していたため今回のデータには出てきませんでした。
オーダー個数別割合(サンプル込み)
前提が長くなってしまいました。
それでは、データを見てみましょう。
なんと、6個以下のオーダーが全体の半分を占めています!次に多いのが13~30個のオーダーということになっています。
思っていた以上に、一品番のオーダー個数が少なかったです。
とはいえこれには少しからくりがあります。
多くの場合、量産の作成を行う前に、サンプルの作成をします。
サンプルは通常、各色各サイズ1個ずつということが多いため、6個以下の割合が極端に多くなってしまいます。
そこで、次はサンプルのオーダーを除いたデータで集計してみます。こちらの方が、より実態に近いかと思います。
オーダー個数別割合(サンプル抜き)
第1位が、13個~30個で、全体の28%でした。
続いて、6個~12個が23%、51~100個が16%、31個~50個が15%となっています。
全体の62%が30個以下のオーダーということになります。
100~300個も7% ありますが、301個以上のご注文というのは、1%以下というのが現状です。
分納のことを考慮しても、一品番301個以上のオーダーはほとんどないな~という感じになります。
一品番301個以上のまとまったオーダーについては、やはり海外生産が基本になると考えたほうがよさそうです。
まとめ
今回は、「一品番あたりのオーダー個数」について、調べてみました。
日常の作業をする中で感じていることも、実際に数値で見ると、やはりそうか!と腹落ちすることや、意外な発見があります。
イケガミ帽子工房にいただくオーダーの62%が、30個以下のオーダーということになります。
冒頭で「50個程度の小ロットですが、お願いできますか?」といった質問を多くいただくと書きましたが、
お答えは「もちろん大丈夫ですよ、イケガミ帽子工房では一品番50個は全く小ロットではございません!」ということになります。
初めてこのような集計をしてみましたが、胸を張って「小ロット対応です!」と謳える内容だったかなと思います。
今回は、過去8年のデータを使用しましたが、年を追うごとにつれ、50個以上のオーダーが増えてきているかなという印象があります。また別の機会に、過去と現在の違いなどについても、分析できればと思っています。
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