QandA:レザーの帽子縫製について
今回は、以前より多くのご質問をいただいている、レザーのオーダーについてお答えしたいと思います。
Table of Contents
対応可能なレザー
レザーを使用した帽子制作は、基本的に対応可能です。
ただし、レザー種類やご依頼の形によって縫製不可のケースもあります。
対応可能なレザーは、おおよそ0.6㎜厚以下になります。
ピッグやシープなどの柔らかめのレザーの場合は、もう少し厚みがあっても可能な場合もありますが、1㎜厚を超えると縫製不可となること多いので、ご注意ください。
つばなどに1枚革を使用するなど、帽子のパーツの一部に使用する場合は、その限りではありません。
過去に2mm厚程度の牛革レザーをつばに使用したものを作成したことがありますが、全く問題ございませんでした。
ハンチングのつばやハットのサイドクラウンにレザーを使用するなど、一部にレザーを使うことでより付加価値の高い商品となるかと思います。
対応が難しい帽子の形
帽子の形によっては、0.6mm厚以下のレザーであっても対応が難しいケースがございます。
例えば、庇の付け根部分(つばの厚みにレザーの厚みが加わって縫製ができない)や、キャスケットなどの天井部分(多くのレザーが重なり、天ボタンがつけることができないなど)などがございます。
ひさしの付け根部分 キャスケットの天井部分
どういったものがOK(不可)になるかの判断については、実際に縫製してみないと分からないケースも多いため、最終的には、サンプル作成を依頼いただいてからの判断になってしまいます。
その場合、完成まで至らないケースもございますので、予めご了解ください。(事前にその旨お伝えすることになります。)
レザー加工の工賃について
レザーの加工については、一般的な生地よりも工賃が高くなりやすくなります。
要因は、以下になります。
- 一度針穴が開いてしまうと、穴が消えない(やり直しがきかない)
- 生地に比べて厚み(硬さ)があり、また滑りが悪いため縫製難度が高く、針折れの危険がともなう。
- 滑りが悪いため、裁断が難しい。
仕様や個数によっても工賃は変わってきますが、生地で作成する一般的なものに比べて、おおよそ1.5~2倍程度の工賃になることが多いです。
レザーの仕入れ先について
レザーについても、基本的にお持ち込みいただくことになります。
レザーの仕入れ先が分からないなどのご相談をいただくケースもございますので、レザー製造加工屋さんご紹介。
ハシモト産業株式会社
ハシモト産業株式会社様は、大阪のレザー製造加工屋さんになります。
ホームページなどによる情報発信が充実していて、ホームページも見やすいです。
1枚からの購入も可能、漉きなどにも対応していただけますので、とてもユーザビリティの高いサービスを提供されています。
まとめ
レザーの加工は、難易度の高い裁断/縫製技術が必要とされますが、その分付加価値の高い商品になるかと思います。
お客様のご要望をできる限り実現できるよう、日々技術の向上に努めております。
いろんなアイデアを持ち寄っていただき、より良い商品開発のお手伝いができればと思っていますので、「こんなことがしたいな~」などありましたら、お気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- QandAコーナー2022年6月11日繁忙期・閑散期について
- お知らせ2022年6月7日共通仕様書の記載方法解説
- コラム:帽子工房の現場から2022年5月27日職人の採用について:具体的なキャリアプラン
- コラム:帽子工房の現場から2022年5月6日職人採用について:イケガミ帽子工房で学べる事