職人の採用について:具体的なキャリアプラン
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キャリアプラン概要
過去のブログで、採用の基準やイケガミ帽子工房に入社後に学べることなどを書いてきましたが、
今回は、より具体的にイケガミ帽子工房に入社したからのキャリアプランについて書いていきたいと思います。
おおよその期間を設けていますが、それぞれ個人差があると思います。
やる気があれば、3年程度で独立までの技術や知識を獲得することもできるかと思いますし、
ダラダラと過ごしてしまうと、何年たっても特定の作業しかできないということも考えられます。
イケガミ帽子工房に入社するまでに、また入社後も折にふれてこのページを見直し、
- 現在の自分のキャリアの立ち位置はどこなのか
- ~年後にどのような姿になっていたいのか
を意識するのが、良いのではないかと思います。
1年目〜2年目
帽子作成の基礎的な部分について、職場での実践を通じて学んでいきます。(OJT)
実際の作業としては、
- 帽子のパターン作成の補助 (CADオペレーション)
- バンドナイフによる裁断
- 工業用ミシンを使った縫製作業
などになります。
地道な作業が続くことが多いですが、ものづくりを実践を通して学んでいく時期でもあり、非常に重要な時期にとも言えます。
モノづくりは成長を実感しやすい(昨日できなかった縫製箇所ができるようになった!など)工程でもありますので、
モノづくりが大好きな方にとっては、とても有意義な時間になるかもしれません。
この期間に、簡単な帽子であれば最初から最後まで自分一人で作成できるだけの技術力を身につけてもらいます。
2年目〜4年目
ある程度基礎的な帽子についての知識を身についた段階で、顧客の担当を受け持ちます。
顧客の担当では、
- 顧客からのオーダー内容のすり合わせ
- 仕様書の作成
- 納期管理
などになります。
最初は、年長のスタッフの補助を受けながら、徐々に一人で作業できるように、なっていただきます。
担当した顧客については、基本的に自身でパターン作成、裁断、縫製などを進められるようになっていただきます。
この時期から、工房の機材や資材などを自由に使用して、自分のブランド作成のための帽子作成を行う許可を出します。
希望があれば、
- ネットショップでの販売支援
- マルシェやデパートでの催事支援
- ホームページ/ブログ作成支援
- SNS運用支援
等を行います。
5〜8年目
複数の顧客を受け持ちながら、自身の責任をもとに、受注から納品までの管理を行います。
具体的には、以下のようなスキルを身につけます。
- パターン作成~出荷前までのすべての工程を一人で行える技術・知識を備える
- 資材や仕様など、顧客に適切な提案を行う
- スタッフや外注の活用/管理
また、ITスキルや簿記などの勉強も並行して行なっていきます。
ITスキルや簿記・FPなどの資格取得については、支援制度があります。
9年目〜
経営的な知識を含めて独り立ちできると判断できた場合、個人事業主登録を行い、独立に向けた準備を整えていきます。
また、担当顧客については、顧客の意向を踏まえながら、徐々に職人自らの直接取引へと移行していきます。(暖簾分け)
最終的には、給与所得から事業所得へと完全な移行をし、独立した個人事業主となります。
個人事業主となった後も、イケガミ帽子工房の設備などについては、使用を許可します。
(こちらは無料でというわけにもいきませんので、事前に話し合いの上、業務委託契約やレンタル契約などを結びます。)
まとめ
今回は、イケガミ帽子工房でのキャリアプランについて書いてみましたが、いかがでしょうか?
イケガミ帽子工房は、私が個人事業主登録をして代表になってから5年目ということもあり、
5年目以降のキャリアプランについては実績のあるプランではありませんが、
- このような意識をもって職人を育てていきたい
- このような方法でこそ独り立ちできる職人を育てることができる
と考えています。
しかし、上記のキャリアプランが必ずしも正解とは思っておりません。
私の思うキャリアプランとは違ったキャリア(例えば、パタンナーとしてスペシャリストになりたい)を希望ということもあるかと思います。
その場合は、本人の希望を最優先の上、話し合いでキャリア形成を検討していきたいと思っています。
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