タイ視察旅行記:タイの現状について

6月26日から7月2日の間、タイ(チェンマイ・バンコク)へ買い付けをかねた視察旅行に行ってまいりました。

 

何回かにわたって、今回の旅行で感じたことなどを書いていきたいと思います。

 

1回目は、タイの現状について。

 

ニュースなどでも報道されているとおり、2014年5月20日より(旅行の期間現中を含め)7月3日現在まで、タイ陸軍によりタイ全土で戒厳令が発令されている状況です。

 

日本の外務省のページでも注意喚起を促す文言が多数あり、ある程度の行動の制限や危険を覚悟で今回の視察旅行に臨んだわけですが・・・

 

結果だけ見ると、拍子抜けするほど日常生活が営まれているような状況でした。(あくまで私の訪れた場所はということですが・・・)

 

多少、軍人らしき集団が広場に集まっているのは見かけたものの、特に何をするでもなく・・という感じ。
おそらく、広場での集会などを規制するためだとは思いますが。

歓楽街なども通常通り営業されており(夜間外出禁止令が解禁されていたこともあったのかも)、私個人も何か行動が制約されるようなことは一度もありませんでした。

 

タイ在住の方々に話を聞くと「まー、しょっちゅうやってますから・・」という感じで、クーデターがすでに日常風景になってしまっている感も・・・

そしてそれと同じようによく言われたのが、「国王がおられるから大丈夫」との意見。

タイにおける、プーミポンアドゥンラヤデート国王の影響力は絶大なものがあるようです。

街の至るところで国王の肖像画などが飾られており、かなりの割合の方が通り過ぎる際に手を合わせます。

運転中のタクシーも手を合わせるのには、さすがに運転に集中してほしいな~と・・

映画館では本編が始まる前に流れる国王の映像は全員起立、

ホテルのカレンダーの写真も若かりし国王だったりして、もはやアイドル的存在でもあるといっても過言ではないです。

 

そんな国王様ですが、過去の政変、クーデターの際にも最終的には収束させてきたということもあり、今回もまーそんな感じだろうというのが大方の意見のようです。

多くのタイ人にとって国王は、仏教とともに大きな心のよりどころとなる存在ということなのでしょう。

 

タイの現在の政治的混乱は、農村と都市の格差・貧富の格差など、発展途上国から中進国・先進国へと至る中で必然の問題が原因です。

百貨店などでは日本と変わらぬ高額商品が多数売られている一方、信号待ちをしている車を洗車して日銭をかせぐストリートチルドレンや、段ボール一枚を引いて路上で寝ている母子など、少し街中を歩くだけでも貧富の格差を目の当たりにさせられます。

そんな状況でも、外国人の私が夜一人歩きをしていても特段危険を感じることがない治安状況なのは、国王の元まとまろうとする国民の強い信頼感からでしょうか。

 

 

しかし敬愛される国王様も御年86歳。入退院を繰り返しているとのことで、決して健在とは言えない状況。

国王への国民からの絶大なる信頼で何とか成り立っていると思われる現在のタイ、

国王に不測の事態が起きた際に真価を問われる正念場となるのかもしれません。

 

*こちらの情報は2014年7月3日時点のあくまで個人的な感想です。今後不測の事態が起こらないとも限りませんので、タイへの渡航の際は、最新の情報をもとに十分ご注意ください。。

 

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