職人の採用について:採用基準など
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職人採用の概要
今回は、イケガミ帽子工房の採用・職人の育成方針について、書いていきたいと思います。
私どもは小さな町工場ですが、それでも1年に1回程度、帽子職人になりたいので修行をさせて欲しい、働かせて欲しいといったお問い合わせをいただきます。
そのようなお問い合わせの中から、これまでにも数名の方の採用を行なっており、また、現在も職人として働いてくれているスタッフもいます。
採用したスタッフから、「どのように応募したらよいのかわからなかったのでとりあえずメールをしてみました」、「実際に働いてみるまでどんな感じか想像がつかなかった」といった感想をもらうこともありました。
そこで、採用についての考え方や、実際に入社いただいた場合、どのようなステップでキャリア形成をしていけるのか、などについて、解説していければと思います。
採用の大前提
採用については、以下を大前提とします。
- 年齢不問
- 経験不問
- 性別不問
当たり前のことかもしれませんが、年齢や経験の有無、性別などで応募する前から諦められている方がいるかもしれませんので記載しておきます。
弊社のスタッフは20代から70代まで働いていますし、スタッフのほとんどは未経験からのスタートです。もちろん、男性も女性もいます。
採用期間なども設けておりませんので、随時応募いただければと思います。
(応募=採用ではないので、その点は悪しからず)
近年、様々な働き方が認められるようににもなっています。
正社員(フルタイムの直接雇用)、パートタイム、アルバイト、業務委託契約・・・
などなど、応募者の生き方や仕事へのかかわり方をお聞きして、柔軟に対応したいと考えております。
採用の基準
採用の基準としては、以下のような項目について判断しています。
- モノづくりが好きであること
- 「将来的に独立開業を目指す」といった具体的な目標と向上心
- 一緒に働きたいと思えるような人柄
モノづくりが好きであること
モノづくりという行為自体は、楽しいものです。
自分が考えたアイデアを形にしていくこと自体も楽しいですし、
またそれをお客様が評価して購入してくださるというのは、言葉にできないほどの喜びがあります。
しかし、仕事として従事する以上、大変なことが多いのも事実です。
”その道のプロである”と自信を持って言うためには、ある程度の期間(一説によると1万時間)が必要となります。
1万時間というと、少なくとも5年程度の労働時間が必要ということになります。
その期間を継続するためには、やはり「モノづくりが好き」という動機がないと続けることは難しいかなと思います。
自分はモノづくりが好きなのかどうかわからない・・という方もおられるかと思いますが、
そもそも嫌いなことであれば、「やってみようかな?」とすら思いつかないものです。
このブログにたどり着き、読んでいただいている時点で、充分「モノづくりが好き」という条件には当てはまるのではないかなと思います。
「将来的に独立開業を目指す」といった具体的な目標と向上心
また、将来的に向けての具体的な目標や、それに向かって努力する向上心も重要な要素です。
ある程度仕事に慣れてくると、当初の目標を見失い、惰性で仕事をこなすようになってしまいがちです。
それが続くと好きで選んだ仕事も、やがて「やらされる労務」となってしまい、仕事自体が嫌いになってしまいます。
ものづくりの場というのは、学ぼうという意識さえあれば、多くのことが学べる場です。
貪欲に学んで楽しんで仕事をして欲しいため、採用基準の一つとしています。
小さな工場であることのメリットとして、自分のやりたいことを実現しやすいということもあるかと思います。
「こんなことをしてみたい」という提案には、真摯に耳を傾けて、会社としてチャレンジをしていきたいと考えています。
逆に言うと、自分から動き出さなければ、日々の業務を淡々とこなすだけということになってしまうかもしれません。
そのようにならないためにも、採用の段階で「何のためにイケガミ帽子工房で働くのか」について、じっくりと考えていただく機会を設けたいと考えています。
一緒に働きたいと思えるような人柄
「一緒に働きたいと思えるような人柄」も重要な要素です。
仕事というのは、さまざまな人が協力し合いながら進めていきます。
能力があっても、協力しようとする気持ち、仲間を助けたいという気持ちがない方とは一緒に働きたいとは思えないものです。
「人づきあいがあまり得意ではないのでモノづくりを志望します」という動機を伺うこともあります。
確かにモノづくりは黙々と作業することも多いですが、それだけでは仕事にならないというのも事実。
やりて営業マンのように弁舌さわやかにペラペラと話す必要はありませんが、
自分の想いや仕事上必要な事柄をきちんと相手に伝えることができるかどうか、は重要な要素と考えています。
選考方法について
採用については、基本的に代表との面接で決定します。
(面接時には、履歴書のご用意をお願いします。)
とは言っても、そんなに大層なものではありません。
ざっくばらんにお話をする中で、先に挙げた内容に合致する方かどうか、
また、イケガミ帽子工房で応募者の希望が実現できるかどうかなどをさせていただければと思っています。
まとめ
今回は、イケガミ帽子工房の採用についての考え方や、選考方法などについて説明させていただきました。
私どもとしては、「帽子職人を目指したい」という思いをいただくだけで、大変うれしく思っていますし、ぜひ一緒に働きたいなと考えています。
しかし、「思っていた感じと違った」といったようなギャップがあると、応募者・私ども双方にとって不幸な結果になってしまいます。
そのような事態を避けるためにも、面接時には本音でじっくりとお話をできればと思っています
次回は、イケガミ帽子工房で学べる事や、入社後のキャリアプランなどについて書きますので、引き続き、お読みいただけると嬉しいです。
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