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帽子という「器」で再編集する、世界中の手仕事。DIALOGUE 2026を終えて

京都の帽子工房「イケガミ帽子工房」として、DIALOGUE 2026出展しました。

2026年3月11日〜14日、京都のホテル カンラ 京都で開催された「Kyoto Crafts Exhibition DIALOGUE 2026」に京都の帽子工房として、出展しました。

これまで時谷堂百貨(ときやどうひゃっか)オンラインショップでの販売のみだった私たちにとって、初めてお客様と直接向き合う場となった数日間。

ブース(客室)へ足を運んでくださった皆さま、商品を手に取り鏡の前で試着してくださった皆さま、そしてご購入いただいた皆さま、本当にありがとうございました。対面イベントへの初出展で、お客様の笑顔を直接目にできたことは、何物にも代えがたい喜びでした。

今回、この一歩を踏み出すきっかけをくださったのは、丹後・与謝野町で手織りデニムを制作されている「川端デニム製作所」さんです。温かいお誘いをいただいたことと、同じ客室でご一緒した京都の老舗・加藤健旗店が展開するブランド「kiten.kyoto」さんとのご縁に、心より感謝申し上げます。

 

『作品』ではなく『再編集』という私たちのスタンス

出展の合間に他のブースを拝見する中で、伝統工芸をベースに現代風にアレンジされた作品が多いことに気づきました。どれも長い歴史に裏打ちされた、重みのあるものづくりです。
私たちの帽子には、そういった歴史的な背景や文脈が薄いかもしれない・・それをまた改めて感じた瞬間でもありました。
実はこの違いは、私たちがオリジナル商品を作る上でずっと向き合ってきた壁でもありました。

でも私たちには、長年のOEM生産を通じて積み上げてきた素材との繋がりと、素材を見極めてきた経験があります。私たちのブランドは、いわば『帽子という器を使った素材の再編集』。これまでの歩みの中で出会い、選び抜いてきた素材たちが、帽子というひとつの形になって集まりました。

今回展示した素材をご紹介します。

  • 川端デニム製作所の手織りデニム:今回ご一緒した丹後・与謝野町の川端デニム製作所さんの生地も帽子に。手織りならではの風合いが楽しめます。
  • イケガミ帽子工房オリジナル西陣織:西陣の伝統工芸士・りんどう屋さんに特別にお願いして制作。工房のある桂のイメージ——竹、桂川、桂離宮——にオリジナルロゴをあしらったオリジナル生地です。
  • インポートのテーラー生地:長年のOEM生産を通じてテーラーさんと深く繋がる中で出会った、上質なインポートテキスタイルです。
  • AFURIKA DOGS(アフリカドッグス):京都とアフリカ・トーゴ共和国の文化を繋ぐ同ブランドが手がける生地で、アフリカの子どもたちがデザインしたプリント柄や、アフリカで広く愛されるブランド「Woodin(ウディン)」の鮮やかなプリントが含まれます。
  • 播州レザー:兵庫県たつの市が誇る「日本一の革作りの町」の素材をアクセントに使いました。
  • 昇苑くみひも:京都・宇治を拠点に京くみひもを手がける昇苑くみひもさんの組紐を、キャスケットのつば部分のアクセントに使用しました。
  • 伝統の絞り:糸でくくって染める伝統技法の絞り生地を、今回の展示会用に特別制作したCrafted Huntingの後ろ側にあしらいました。

 

性別も世代も超えて響いた「素材の力」

今回の出展前は『どんな方が来てくださるだろう』と少し不安もありました。しかしふたを開けてみると、うれしい誤算の連続でした。想定していた年配の男性層だけでなく、若い方も、女性の方も、幅広い方々がブースに足を止めてくださったのです。

  • Handloom Roll:同室で展示されていた川端デニム製作所さんの手織りデニムを使ったモデルです。機械織りとは異なる、手織りならではのやわらかな風合いが女性のお客様に特に人気で、手に取るたびに「こんなにやわらかいんですね」と驚いてくださる場面が何度もありました。
  • Tailor Eight:8枚の接ぎがそれぞれ異なる色柄の生地で構成され、つばには播州レザー、そこに昇苑くみひもの組紐をあしらったモデルです。
    ボリュームがある分、浅めにかぶったり、深めにかぶったり、少し斜めにずらしたり——かぶり方ひとつで表情がぐっと変わるのが、若い男性の方々の心をつかんでいたようです。鏡の前でいろいろ試しながら楽しんでくださる姿が印象的でした。
  • Crafted Hunting(絞り生地):テーラー生地をベースに、播州レザーと西陣織を組み合わせた、イケガミ帽子工房のフラッグシップモデルとも言えるハンチングです。
    今回の展示会に向けて特別に制作した、伝統の絞り生地をあしらったモデルも並べたところ、これが女性のお客様にご購入いただけたのが嬉しい驚きでした。
    絞りの独特な凹凸感——多くの方が指でそっと触れながら立ち止まってくださったあの感触が、性別や世代を超えて刺さったのかもしれません。

帽子という、日常の中にある身近なアイテムだからこそ、素材の面白さや手仕事の温もりがダイレクトに伝わるのかもしれません。「この素材は、こんな風に変わるのか」という驚きが、世代や性別を超えてお客様に伝わったのだと思います。素材の力を、改めて実感した時間でした。」

むすびに

ホテルの客室という親密な空間の中で、川端デニム製作所さんやkiten.kyotoさんの素晴らしい展示に刺激を受けながら、自分たちの現在地を改めて確認できた4日間でした。

これからも「素材の良さ」を活かし、最高にかぶりやすい形へとまとめ上げる「編集のプライド」を胸に、ものづくりに向き合っていきます。

ご来場いただいた皆さま、支えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

 

イケガミ帽子工房では、小ロットから帽子OEM、オーダーメイドも承っています。
詳細は、以下より。

ご案内
プロフィール
イケガミ帽子工房

イケガミ帽子工房(IKEGAMI BOUSHI KOUBOU)は、1994年設立。
京都の嵐山にほど近い工房で、これまでに1000件を超えるOEM/ODM生産に携わる。小ロット、オーダーメイド対応。職人自ら企画から生産まで一貫して関わる、作り手との距離の近い工房です。

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